「JDSプレゼンツ“ファッションパフォーマンスショー”」in大阪・関西万博 レポート

2025年10月10日、大阪・関西万博のEXPOホール「シャインハット」にて、JDSプレゼンツ「ファッションパフォーマンスショー」が開催されました。このショーは、全国手をつなぐ育成会連合会が主催する障害者の文化芸術国際フェスティバルのステージプログラムで、DJ OSSHY presents「インクルーシブ・ディスコ」の一部として披露されました。

2025年 大阪・関西万博 JDSプレゼンツ“ファッションパフォーマンスショー”レポート DJ OSSHY
     DJ OSSHY

「ここに私が、(そして)あなたは…」というフェスティバルのテーマのもと、障害のある人もない人も共に輝ける場を創出することを目指したこのショーは、観客も一体となって楽しめる“全員主役”のステージとして展開。ダンス・音楽・ファッションがクロスオーバーする空間が繰り広げられ、満席となった観客の皆さんも最後はステージサイドに移動して、出演者と一体となり、きらめく照明の下でダンスを楽しみつくしました。

【イベント概要】
開催日時・場所
日時:2025年10月10日(金)15:30~
会場:EXPOホール「シャインハット」

主催・協力団体
主催:一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会、文化庁、独立行政法人⽇本芸術⽂化振興会
協力:一般社団法人スマイルウオーキング倶楽部

演出・企画
演出:髙木真理子(スマイルウオーキング倶楽部代表理事)
企画プロデュース:水戸川真由美(JDS理事)

3部構成で繰り広げられたファッションパフォーマンスショー

このショーは、ギター・ヴァイオリンの生演奏、車椅子ダンス、モデルウォーキング、歌唱など、ジャンルを超えた多彩なパフォーマンスで構成されました。演出を手がけたのは、一般社団法人スマイルウオーキング倶楽部代表理事であり、世界20カ国以上のファッション・ショーでランウェイを闊歩してきたトップモデルの髙木真理子さん。そしてステージには多様で多彩なアーティストが登場しました。

シーン1ではTOTO「AFRICA」をバックにギタリストの高谷秀司さんが演奏、鮮やかな衣装に身を包んだ親子6組12名がウォーク。堂々たる笑顔を見せてくれました。

2025年 大阪・関西万博 JDSプレゼンツ“ファッションパフォーマンスショー”レポート シーン1の様子。鮮やかなレインボーカラー
シーン1の様子。鮮やかなレインボーカラー

シーン2ではLuis Fonsi ft. Daddy Yankee「Despacito」をヴァイオリニストのSHOGOさんが演奏し、黒を基調とした衣装で12名がウォーク。そのうち新人車椅子モデルが2名と、1名は車椅子エンターテイナーでジャパンパラリンピックでチェアスキー、またe-スポーツ界で活躍する神威龍牙さんが登場。また、“インクルーシブ・モデル”の町田萌香さんのクールなウォークも際立ちました。

2025年 大阪・関西万博 JDSプレゼンツ“ファッションパフォーマンスショー”レポート シックなシーン2
    シックなシーン2

シーン3ではIRIS Angel(アイリス・エンジェル)が「天使のお仕事」を歌い、ダウン症のある俳優・吉田葵さん、モデルとして活躍する齊藤菜桜さんをはじめ、16名がそれぞれの個性を生かした衣装とメイクで登場し、とびきりのダンスを披露しました。

シーン3でIRIS Angelと一緒にダンス!
リズミカルに踊る齊藤菜桜さん、吉田葵さん

ダウン症、発達障害、知的障害、身体障害、様々な個性をもつモデル、パフォーマーが、それぞれ自分らしい表現でステージに立ち、笑顔とパフォーマンスを、満席となったExpoホール シャインハットの客席に向けて解き放ちました。

ラストは、煌びやかなOSSHYダンサーズの皆さんと混然一体となり、シャインハットのステージをまるでディスコのお立ち台のようにして、懐かしい曲から最新のヒット曲までオールジャンル、思わず体が動く踊れる曲ばかりで、客席の皆さんも一緒に思いっきりダンス。DJ OSSHYによる、言葉通りの「インクルーシブ・ディスコ」となりました。

踊るラストシーン。(右)ダウン症のある中嶋勘介くんと OSSHYダンサーズ Misty Tomoさん

この日のために練習を重ねてきた、スマイルウオーキング倶楽部のメンバー

今回のショーは、ダンスもありましたが、基本はファッション・ショー。そのために背筋を伸ばしてかっこよくウォークする練習を、スマイルウオーキング俱楽部のメンバーは重ねてきました。札幌チーム、東京近郊チーム、大阪チーム、それぞれの場所で8月からレッスンを重ね、万博会場でのショー前日に、ようやく初めて全員が顔合わせしての総合レッスンとなりました。

  神戸のスタジオで総合レッスン

レッスンを行ったスタジオでは、髙木真理子さんの厳しい指導がありました。障害者だから、子どもだからと甘やかすことはありません。自主的に、観客に対してより良いパフォーマンスをしてほしい、という思いから、「お客さんを見て!」「自分から“やる気”の笑顔で!」という髙木さんの言葉が檄として飛びます。その想いがあってこそ、実際のステージで精一杯の輝く笑顔が見られました。

ステージに登場することは、ただ単にきれいでかっこいい自分になる、というだけでなく、親から離れて行動できるようになる、ということの経験にもなります。本番当日は、朝、控え室に入ったあとは、保護者は会場を出ます。ヘア・メイクはプロがサポートしますが、着替えや準備、すべて自分で準備して、ステージへと向かうのです。

   舞台袖で出番を待つ様子

その姿と、シーン3で歌われたIRIS Angel「天使のお仕事」の歌詞がリンクするようでした。一部抜粋して掲載します。

不安なのは
それはね人の目ばかりを気にしているから
失敗することを恐れているから
自分の事ばかり考えていると
だんだん固く小さくなっていく
そんなときはパチンと手をたたいて
自分に向けていた矢印を周りに向けていこう
ただみんなを笑顔にすることだけ考えていれば
真の強さが生まれてくる

  会場の壁面に映し出された歌詞

今後のJDSの取り組みにご期待ください

JDSでは、今回のステージのように、ダウン症のある人が輝ける場を今後も創っていきます。ステージに立つことだけでなく、様々なジャンルで、その人らしい人生を送れるような場づくりをすることによって、インクルーシブな社会づくりの一歩となることを願っています。

【関連記事】
出演者の詳細10月10日(金) EXP02025 大阪・関西万博イベントJDSプレゼンツ“ファッションパフォーマンスショー”開催!