子どもたちはみんな多様ななかで学びあういま求められるインクルーシブ教育

佐々木サミュエルズ 純子/著
アイエス・エヌ株式会社コミュニティ・パブリッシング事業部 1,980円(税込)

この本は、ダウン症のあるジェイミーくんの就学から始まる、著者・佐々木サミュエルズ純子さん家族のリアルな体験記。国際的には、子どもたちに特別な枠を設けて分けることのないインクルーシブな環境が教育の大前提となっています。それなのに、ジェイミーくんが普通学校で学ぶという道のりは、決して楽なものではありません。日本は先進国なのに、保護者が必死にがんばらなくては、障害のある子どもが普通学校に通うことができないのでしょうか?

「障害のある子は地域の学校へ行けないの?」というテーマは、「第1章 近くて遠い学校」「第2章 “当たり前”の権利のためのたたかい」「第3章 6年間の成長ーみんな一緒だからこそー」「第4章 すべての子どもの幸せと未来のために」の4章で構成されています。これは、「『教育』って何だろう?という問いの答え探しの旅を続けているお話しです。」(「はじめに」より抜粋)

そして、普通学校に通うことが難しいのは、障害のある子どもだけでなく、外国にルーツのある子、シングル家庭の子、家庭環境が厳しい子、特別な才能を持つギフテッドの子など、多様な子どもたちも同様です。「多様性を認め合う」ということは、どういうことなのかと考え、変わっていくためにはどんな行動から始めたらいいのか、そのヒントを著者の体験をもって示唆してくれる1冊です。

子どもたちはみんな多様ななかで学びあういま求められるインクルーシブ教育