知的障害と認知症 家族のためのガイド

カレン・ウォッチマン/著
木下 大生/竹内 千仙/ケビン・M・マクマナス 監訳
現代人文社/2,200円(+税)

何げなくSNSを眺めていたら「障害と認知症家族のためのガイド」というきれいな表紙のこの本に目が止まりました。加齢と老化、認知症の研究者である著者が、「知的障害のある人も認知症になることがある」ということについて、わかりやすく解説する本です。アミロイドβタンパク質増加、脳の萎縮が、息子にどんな形で現れてくるのか・こないのか、わからないところですが、息子は34歳、そろそろ知っておく必要があると思い読み始めました。

たとえば、トイレのドアを開けてなぜか1歩が踏み出せない、ということがあります。それには理由があって、床の色が違うだけで段差に見えてしまい、こわくて進めないということなのです。「どうして!?」と責めてしまいがちなポイントについて、理解のための情報が、たくさん書かれいます。認知症はダウン症のあるなしにかかわらず起こりうるし、起こらないかもしれません。心配しすぎなくてもよいですが、息子のみならず私自身もできる「準備」はしておくに越したことはないと思ったのでした。

本書をこれまでに出会ったダウン症候群や知的障害のある患者さんと、そのご家族支援者の皆様に捧げます。皆様の患者さんへの深い愛情と、献身的な介護と医療への協力により、実現した本です。
この本を手にとった方々が、「よし、それならば、もう一度頑張ってみよう!」と日々の介護への活力になるような内容になっていれば幸いです。
「そうか、これが人生か。さらばもう一度!」 ツァラトゥストラかく語りき

竹内千仙先生より<おわりに>より抜粋
知的障害と認知症 家族のためのガイド