世界ダウン症の日2025啓発ポスター
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2025年のポスターは、なんと2014年のポスターに掲載された、
当時子どもだった皆さんに登場いただきました。
2014年3月21日~30日にJDSでは、イギリスのリチャード・ベイリーさんの
写真展「ダウン症 家族のまなざし」を行いました。
ベイリーさんの企画のひとつでもある「365」と同じように
日本のダウン症のある方 85名を撮影、日本版として展示をしました。
その中から15人の方を掲載して、
2014年の世界ダウン症の日啓発ポスター
となりました。
2025年バージョンのテーマも「ここにいるよ」です。
国際ダウン症連合(DSi)世界ダウン症の日2025のテーマ
Improve Our Support Systems にもあわせ
メッセージをお届けしたいと思います。
ここにいるよ
あれから12年目の
ダウン症があるわたしたち
たくさんのサポートを受けて、今もここにいる。
うれしいことも、そうでないこともある、
だけど、毎日が楽しい!
これからも一緒に。よろしくお願いします。
国際ダウン症連合(DSi) 2025年テーマ
Improve Our Support Systems
「サポートシステムの改善」には「ここにいるよ」が必要
世界ダウン症連合(Down Syndrome international=DSi)では、世界ダウン症・2025年3月21日の世界ダウン症デーのテーマを「サポートシステムの改善」として、すべての政府にサポートシステムの改善を呼びかけています。
「ダウン症のある人々は他の人々と同様に、地域社会で生活し受け入れられるためにサポートを必要としています。
同時に、親やきょうだいをはじめとする家族も、ダウン症のある家族をサポートしていることが多いため、サポートを必要としています。サポートは、他の権利を実現するための重要な人権です。
必要なサポートは人によって異なります。
私たちには、自分のニーズを満たし、選択権、コントロール権、尊厳を与えてくれるサポートを受ける権利があります。」
DSiホームページ「誰もが時にはサポートを必要とします。」より翻訳引用
このメッセージを社会に訴えかけていくときに、サポートを必要としている人がどこにいるかを知らなくてはなりません。このことからJDSでは、世界ダウン症の日2025のメッセージを「ここにいるよ」としました。
15人のモデルの皆さんのプロフィール
2025.2月現在
画像をクリックするとモデルの15人の方のプロフィールをご覧になれます。
メイキングムービー
15人の方のポスター撮影のムービーです。
制作スタッフからのメッセージ
キュレーター 森 綾子
ひとりひとりの輝く笑顔に勇気づけられる
2014年の啓発ポスター『ここにいるよ』は、参加させていただいた写真展とコラボしたもので、大変思い入れのあるポスターです。11年の時を経てその続編を作ると聞いた時から、私は、今回のポスターの出来は全員参加にかかっていると思っていました。10年も経てば住所や連絡先が変わっていてもおかしくありません。古いリストを頼りに一人ひとりご協力をお願いしていきました。
なかなか連絡先にたどり着けず時間がかかった方もありましたが、全員と連絡が取れ二つ返事で快諾いただいた時、思わず「これで成功!」と心の中でガッツポーズをしました。
撮影当日。青年となった彼らはまさに青春真っ盛り!まぶしいほど輝いていました。撮影を見守るご家族に支えられ、サポートを得ながらも自分の道をしっかりと歩いていると感じ、とても幸せな気分になりました。ポスターの中の彼らからは、「大丈夫だよ。私たちは自分の場所を見つけて楽しくやっているよ」という声が聞こえてくるようです。自信に満ちた彼らの笑顔が、多くの方々を勇気づけてくれると確信しています。
フォトグラファー 三山エリ
(2014年当時 高橋依里)
あれから11年。成長と変わらないもの両方を感じました
ポスター撮影のお話をいただいた時、またみんなに会える!と二つ返事で喜んでお受けしました。あれからもう11年、時が経つ速さに驚きつつ、久しぶりにお会いする皆さんはどんな青年になっているかな?と想像して、前回撮影したポスターを眺めながら撮影前日の夜は遠足に行く子どものようにソワソワしてなかなか寝つけなかったです。
撮影当日。スタジオに元気いっぱい現れたひとりひとりのお顔を見ただけで、すぐにそれぞれが誰だかわかりました。11年前を振り返りながら撮影を始めました。最初に前回と同じ、お揃いの紺色のTシャツをきて撮影し、カメラに向き合ったとき、みんな顔つきは大人になり、背丈も伸びたけど、キラキラ輝く瞳はあの時のまま!それがとても嬉しかったです。
今、みんなそれぞれの人生を全力で駆け抜けていて、そんなカッコいい、みんなの今の姿を撮影できてとても感慨深かったです。そして、撮影中その様子を微笑ましく見守っている親御さんの優しい眼差しも、前回と全く変わっておらず、とても温かい気持ちになりました。
みんな大きくなったね! みんなみんな、ここにいるね。
デザイナー 宇津木百合子
想いが叶った特別な瞬間
今回の啓発ポスターのお話をいただいたとき、とてもワクワクしました。今回のポスターは私にとって特別な意味があり、2014年からの想いが叶った瞬間でもあったからです。
今から十数年前のこと。ダウン症のある息子を通じて、JDS会員でいらっしゃる森綾子さんとの出会いがきっかけとなり、JDSニュース制作の一員としての現在に繋がっています。その最初の一歩となったのが2014年の啓発ポスターの制作でした。将来、成長されたみなさんとポスターで再会したいという想いが生まれ、その後もイメージしてはワクワクしていました。
三山エリさんが撮影された素敵なお写真にときめき、水戸川理事と一緒にワクワクしながら選びました。ご本人もご家族も様々なことを体験され現在に至っていることを感じて、心いっぱい温かくなりました。
日本ダウン症協会富山支部(つなGO)支部長
(旧 JDS理事・広報出版委員長)
上原(かみはら)公子
始まりは英国初の写真展「ダウン症 家族のまなざし ―Shifting Perspectives」
2014年開催のこの写真展は、著名なフォトグラファーで父親でもあるリチャード・ベイリー氏が企画制作(当時で7カ国開催)。研究者の渡部麻衣子さんからの提案を受け、JDS理事として私が担当。広報出版委員の森綾子さんが美術館勤務の経験を生かし準備する中、この写真展の核であるベイリー氏の作品「365」の日本版を作ることを思いつきました。
2013年12月、青山の写真展会場に85名が集まり、徳島県支部協力の藍染めTシャツを着て撮影。三山エリさん(当時は高橋依里さん)が皆の素直な感情を見事に引き出した作品が「ONE ~ここにいるよ~」で、うち15名が2014年の啓発ポスターに登場しました。
それから11年、15名が再び集まりました! エリさんとの再会を喜び、大きくなった姿を思う存分カメラの前で発揮!!「世界ダウン症の日2025啓発ポスター」が誕生しました。